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健康経営戦略マップは「右端」から描こう!― 2025年改訂版のポイント①「健康風土の醸成」 ―

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健康経営戦略マップは、企業の「健康投資ストーリー」を見える化するためのツールです。

改訂版の特徴は、左端に「健康投資」、右端に「経営方針」が配置されていること。

どうしても左から埋めたくなる私たち日本人ですが、健康経営を「単なる福利厚生」から「経営戦略の一部」へと格上げするには、右端(経営方針)から描き始めるのが重要なポイントです。

どうでしょう?直ぐに迷わず埋められますか?


もう1つ、本日取り上げたい改訂版の新しい視点は「健康風土の醸成」です。

健康風土とは「健康に関する共通の考え方や行動様式を生み出す、企業独特の環境」を意味します。

“自分の健康を大切にしてくれる組織だ”と感じられる

”全員の健康が大切”という共通の想いで、上司・同僚同士でお互いの健康を意識して、支え合うことが当たり前で、健康行動を賞賛し合えていると感じられる

という2つの感覚を従業員が持てることが、健康風土を醸成して、従業員の健康行動は促進されやすくなります。

データが示す「風土」の力

『健康経営ガイドブック 健康経営優良法人認定事務局編 発行年月:2025 年 3 月版』には、米国の Taitel ら(2008)の研究によると、健康リスク評価(HRA)の受診率を 50%にするために必要なインセンティブ額は、

組織のコミュニケーションやコミットメントが低い場合 → 120ドル/人

高い場合 → 40ドル/人

という調査が紹介され、「お金」よりも「組織文化や信頼関係」が成果に大きく影響することを示しています。

ですが、「風土の醸成」という目に見えないものの取り組み、特に評価は難易度は高そうですよね。


今回は、『健康経営ガイドブック 健康経営優良法人認定事務局編 発行年月:2025 年 3 月版』記載の、健康風土の醸成に向けた 3 つの視点を参考に、簡単にまとめてみました。

経営トップのコミットメントと推進方針

 <取組例>

 ・健康経営理念・方針の明文化

 ・社長メッセージや社内発信

 ・経営会議での定期報告

 ・健康をテーマにした経営者と従業員との対話の機会やイベント

 <指標例>

 ・健康経営方針の認知率・理解度

 ・トップメッセージ発信の有無・頻度

体制・環境の整備

 <取組例>

 ・健康経営推進責任者の設置

 ・継続的な管理職研修

 ・保険者・産業医・外部専門家との連携

 <指標例>

 ・健康経営統括組織の有無

 ・管理職研修の実績、受講率、理解度

 ・保険者とのデータ共有有無

 ・外部専門家との活用実績

 ・健康経営優良法人認定、ISO45001、くるみん認定など外部評価の取得

健康風土の醸成状況

 <取組例>

 ・職業性ストレス調査票(57項目版ストレスチェック)で「上司・同僚支援」を測定

 ・新職業性ストレス簡易調査票(80項目版ストレスチェック)で「職場の一体感」を測定

 ・POS(知覚された組織的支援)や PSS(知覚された上司支援)の調査

  POSの日本語版(SPOS-J)は、産業医科大学 産業保健経営学研究室が公開している

  PSSについては、POSの「組織」を「上司」に置き換えた形式で用いられる場合もあり

 ・社内アンケートで「助け合い」「信頼関係」等を確認

 <指標例>

 ・ストレスチェックでの「上司/同僚支援」「職場の一体感」スコア

 ・POS/PSS 調査や社内アンケート結果の推移


健康経営優良法人申請を経験済みのご担当者さまには、❶と❷は新しい取り組みや調査は必要ないでしょう。

❸も調査方法は検討・取り組めそうだと思っていただけたのでは?


私たち健康経営エキスパートアドバイザーも、健康経営が進化する度に、学びながら、

1社1社に適した取り組みを共に模索して、実行のお手伝いをしております。


戦略マップで未来を描こう

本日まず取り上げた、「健康風土の醸成」は、健康行動を高めるだけでなく、

生産性やサービス品質、組織の持続的成長に直結するイメージがわきましたか?

戦略マップを描くことは、一見手間に見えて、実は「自社の未来を描くワクワクする作業」なのです。


2025年にマップを描けなかった企業の皆さまも、2026年に向けて「右端から」一緒に取り組んでみませんか?

今泉 亜希
30分
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